2022年4月29日金曜日

2021年11月28日 歌のおじいさんの日々思っていること1 「声とはこう思えてならない。点と線について」

 僕が常々思っていること、今回は声について記します。

「声とはこう思えてならない。点と線について」

1.声は点と線でできている。点と線は声楽の基本である。

①点と線は1点ぴゅうーぴょんとなる。声は点に始まり、線となり、終わりは上向き。

 ●→ ―――――― → ――――――↑

②点と線は正確で、点には点、線には線の力がなければならない。

③線には息の力が必要で、正確にラインを描くためには、いらないビブラートに注意

④線には、これから向かっていくクレッシェンドがある。音量的に、クレッシェンドにな  っても、息が太くなってはならない。

⑤線には、終わりを弱くするディミネンドがある。音量的にディミネンドになっても、内的に音が充実していなくてはならない。

⑥そのクレッシェンド、ディミネンドの大きさ、長さ、開始の場所と終わりの場所は、歌詞の意味、また音楽的な動きにより決まる。

2.共鳴について

①我々が目指す声(歌声)とは、東京文化会館大・小ホール、新国立劇場大・中ホール、etc.のホールの中心に立って歌ったときに、すべての階のすべての客席に隅々まで届く声。グランドピアノ、バイオリンなどが、なぜあのような形をしているのだろうか。楽器全体が響きやすい形をしていると思う。人間もその共鳴腔を十分に使いこなす、そのための技術を持たなければならない。

②一人一人違う共鳴腔なので、その技術は自分自身の共鳴体について研究して、あなた自身の体と心を駆使し、さらに先輩諸先生方の意見を聞きトレーニングする。声は一生磨き続けて欲しい。

③なるべく高いところに共鳴腔を作る必要がある。しかし支えは低いところに置く。すべてにおいて拮抗関係、バランスが大事。

3.情緒と健全なる点と線について

点と線は健全でなければならない。演奏する際には、すっきりとした健全な点と線を目指し、詩の意味や、音楽の形に影響されないようにする。情緒に流されず、"息の流れによって描かれた美しいライン”そして”健全なる点と線から生まれた1点ぴゅうーぴょん”から結果的に情緒も、音楽的表情も表出する。

4.表情・・・笑い顔

恵まれた骨格でもさらに共鳴させる。点と線をどの表情から描くのか・・・笑うときに表情と心のように、歌うときの筋肉は必要な時にだけ緩み、必要な時に必要な緊張を求められるべき。

中山悌一先生は、普段は苦虫をかみつぶしたような顔をしていたが、歌うときは笑顔だった。歌う準備に入ると、意識していたのか、無意識だったのかわからないが笑顔のような表情となり、笑顔で動く筋肉を十分に働かせて、結果的に演奏に役立っていたのであろう。それに引き換え、こちとら某演出家に、「おまえは笑い顔が泣き顔になる」と言われていた。意識して笑っても泣き顔になる僕の顔だから(眉が垂れているからか?)まだまだ僕の声への追求は続きます。

5.発光体になる。~華~

舞台ではその声も存在も、自身が発光体となるごとく、光りを放たなければならに。華、オーラともいうが、生まれ持ってあるものなのか、努力した結果の自信から湧き上がるものかはわからないが、発光体というイメージを持っていてほしい。

2021年1月1日金曜日

年頭のご挨拶 2021

 明けましておめでとうございます。

昨年は4月から境塾は休眠、そして過去に4回、毎年行っていた「歌い初め」も今年は残念ながら開催できません。いつかコロナが落ち着いて、またご一緒に日本の歌を勉強できる日を楽しみにしております。

中村健先生からのメッセージをお届けします。

「歌は、点と線。その線には種類がある。そして線を描くものは息だけではない何かがある。それは何でしょう」

再開できる日を楽しみに、精進してまいりましょう。 内田、黒川




2020年3月9日月曜日

境塾 2020年3月1日(日)


境塾 202031日(日)
今月の境塾は、新型コロナウィルスの影響を考えて開催を迷いましたが、比較的広い会場を予約していたので、予定通り行いました。いらっしゃれない方も、仕事がキャンセルになっていらっしゃれた方もありましたし、初めて参加された方も2名ありました。健先生はとてもお元気で、4名の受講者で3時間の境塾となりました。

演奏曲
    「歌曲」(信長貴富作曲)
  ・言葉を分散させず、レガートに歌う。音程が下がらないように。
    ・39小節「恋」のK, 一番大事なところ、「恋をしたくなった」ように歌う。前    で切ってもいいかも。
    ・57,「あげたい」の顔で 「た」が下がらないように
    ・64 「あなた」をひとつに母音をつなげて歌う。
    ・サビの部分は、キッキッとせず、朗々と歌う。
    「中国地方の子守歌」(山田耕筰編曲)
    ・子守歌なので、どんな歌詞でもいい。
    ・「今日は二十五日さ」の「ご」は鼻濁音にしない
    ・「つらにくさ」はにくにくしげに歌わず、レガートに
    「かけす」(安部高明作曲)
  ・言葉がわかりにくいが、八分音符の羅列のようにしないで、言葉でまとめる。
  ・初めて聞くと、ことばがわかりにくい曲である。
    「辛夷(こぶし)の花」(下總総一作曲)
  ・とにかくレガートに歌う。
  ・「U」の母音が多い、 「ですー」など。言葉の位置によって、語頭か、語尾か
    なども考慮する。
    「ふるさとの夜に寄す」(朝岡真木子作曲)
  ・最初の「やさしい」の「や」など、語頭が長くなりすぎない。
  ・「すぎるだけ」がせせこましくならない、つまらないように。
  ・高音はよい。
    「おもちゃ歌」より「あねさま人形」と「ヨーヨー」(中田喜直作曲)
  ・「あー」のところも大人の声すぎないように。
  ・子供の歌は、大人のテクニックで子供時代の歌をうたうイメージ。
・基本的には無声にせず有声で歌う。「あのまち」の「ち」など。
・笑い顔で歌う
    「六つの浪漫」より「草に寝て」(木下牧子作曲)
  ・最後の「ともだちだった」の「だった」がつながるように、丁寧に。ブレスして  もいい。

2020年2月7日金曜日

境塾 2020年2月2日(日)


境塾 202022日(日)
今日は、健先生の米寿初境塾でした。健先生をHappy Birthdayの歌でお迎えしました。昭和音楽短期大学の教え子の方々も初参加されました。

演奏曲
    「さざんか」(猪本隆作曲)
  ・「さざんか」「はなざかりだよ」などがひとまとまりになるよう歌う。
    ・弱拍、強拍に分かれず、言葉のアクセントを大切にする。
    ・「ほころびー」「かけたー」など作曲家が長い音符で書いているところは扱い
      が要注意。
    ・「(休符)えも言われぬ」「休符」を大切にする。
    ・ブレスはsportyに、お客さんに悟られないように。
    ・山茶花はかわいい花だというイメージをもって、全体を表現。
    ・Spotyであることと、内容の表現が同時に上手くできるようにしなければいけ
     ない。
    「霧と話した」(中田喜直作曲)
    ・出だしの「わたし」の声がよくない。思い切っていろいろな方法を試してみる。例えば喜劇だと思って歌ってみる。
    ・サビの部分は思いっきり声を聴かせるつもりで歌う。
    ・「そこは(休符)今でもいたむまま」など休符を乗り越える気迫がいる。
    「むこう むこう」(中田喜直作曲)
  ・「おもう」の歌い方が問題。「おもお」と歌う人が多いが正解はない。
  ・ラジオ歌謡だから、自由に歌っていい。
  ・「むこーー」のところはpからcresc. Allagandoしてたっぷり歌う。
  ・ポルタメントは無意識にかけない。
「霧と話した」(中田喜直作曲)
  ・同じ旋律を繰り返すときには工夫が必要。
  ・歌い出しのテンポ感、どこで棒をあげるのか、それがわかるように。
    「爽やかな五月に」(柴田南雄作曲)
  ・追いまくられているように聞える。そうならずに、遅れないで歌う。
  ・高音だけを意識しすぎない。
「ヴァカンス」
  ・「うきぐもが」の「が」が聞えない
  ・ことばの頭の母音、子音を大切にして言葉をわからせる
  ・30小節の「かげりー」の「I」が下がらないように。
  ・よいブレスをすることで、音程なども安定する。

2020年2月1日土曜日

境塾 2020年1月12日(日)


境塾 2020112日(日)
本日は、「点(ことば)と線(ライン)に感情が入っていないといけない。上に響かせながら、母音を歌っていく。」という健先生からのコメントで始まりました。新年の歌い初めで16人が歌い、コメントをいただきました。その後健先生の自宅に、持ち寄りで新年会となりました。
演奏曲
    「さがす」(前田佳世子作曲)
  歌い手次第で面白くなる曲。ことば、ラインの中に感情が入っている。「まなざし」を自然に歌う。「~の中に」は「あなた」にかける。
    「ヒスイ」(信長貴富作曲)
    ワンフレーズの中の大切なところを探す。逆アクセントの言葉を乗り越える。「ヒスイ」が自然に聞えるように。
    「ワルツ」(武満徹作曲) 
    全体にワルツのリズムを感じて。武満の曲は、メロディーをだすか、言葉をだすかによって歌い方が違う。言葉のアクセントはメロディーと関係ないことがある。声が次々に進む発声を心がける。
    「アマリリス」(中田喜直作曲)
    最終的に「悩みの花」と言っているので、全体をそのように感じて歌う。作曲家の書いているブレス、特にカンマ(‘)は必ずしも守らなくてもよい。
    「歌をください」(中田喜直作曲)
   八分音符でなく線で歌う。大きい声を出しすぎない。
    「えびがはねたよ」(古村徹三作曲)
   「ぴん」のところが声が引っ込む。「ん」は「N」でも「M」でもなく。
    「すてきな春に」(小林秀雄作曲)
   最後の「くれました」が一つに聞えるように。はじめの「ある朝」が難しい。陽性な歌である。
    「ぺんぺんぐさ」(前田佳世子作曲)
  詩の自然なアクセントが聞えている。「かみさま」の「ま」が強すぎないように。
    「はまうた」(関谷敏子作曲)
  山田耕筰の「箱根八里」などと同様に、民謡、俗曲の類いで、どう歌っても良い。
    「湖上」(木下牧子作曲)
   点と線を考え、レガートに言葉を描いていく。言葉のリズムを楽譜を超えて自分
   のものにする。
    「うぐいす」(木下牧子作曲)
    勉強になる曲。どんな「うぐいす」をイメージしているのか。「一瞬」・・・大切な言葉をどう歌うか、印象的な言葉、それを頂点にもってくるように歌う。
    「しぐれに寄する抒情」(大中恩作曲)
    少し音域が低いようなので移調したらどうか。Molto legatoに歌ってみる。ブレスをきちんと、演技としてできるように。
    「春近き日に」(別宮貞雄作曲)
    声のバランスがとれているときは大変立派な声だが、うまくいっていない時がある。この曲は相当難しい曲である。
    「ひとり林に・・・・・・」(朝岡真木子作曲)
  まず気になるのは「U」の母音、西洋的と日本的のバランスをとって自然に聞えるように。
    「あなたへ」(朝岡真木子作曲)
  まず声をしっかりだして歌う。
    「一月一日」(上真行作曲)
    一部にまだビブラートが気になるところがある。

2019年12月20日金曜日

2020年のスケジュール

2020年1月12日(日)14:00-17:00 歌い初め+新年会
       Pf.平野由美恵/武蔵野市民会館   
2月2日(日)14:00-17:00 Pf.只野なつき/武蔵野市民会館
3月1日(日)14:00-17:00 Pf.平野由美恵/武蔵野市民会館
4月5日(日)14:00-17:00 Pf.只野なつき/武蔵野市民会館  *中止
5月3日(日)15:00-17:00 Pf.千賀由里  *中止
6月14日(日)15:00-17:00 Pf.千賀由里  *中止

新型コロナウイルスの影響により、会場を借りることができません。
次回、日程が決まりましたら、順次お知らせ致します。


武蔵野市民会館 武蔵野市境2-3-7 0422-51-9144 武蔵境駅北口より徒歩5分
西部コミュニティセンター 境5-6-20 0422-56-2888 武蔵境駅北口より徒歩20分
境南コミュニティセンター 境3-22-9 0422-32-8565 武蔵境駅南口より徒歩15分

境塾 2019年12月1日

境塾 2019121日(日)
演奏曲
    「みやこわすれ」(千原英喜作曲)「冬の日」(石桁真礼生作曲)
    「裸木」より「2.朝光を待って」「3.枝を伐ってはならない(朝岡真木子作曲・木下宣子作詩)
    「霧と話した」(中田喜直作曲) 
    「ほしとたんぽぽ」より「こだまでしょうか」「おさかな」(中田喜直作曲)
    「しだれ桜」「わらううた」(朝岡真木子作曲)
    「うみ」

    ・最初の音をどんな発声で歌い出すのか。
・「私は、手を のばす」 を一つに歌う。
・「ア」で全部歌ってみて、音の高低によって変わらないように練習する。
・とにかくlegato、声を変えない、言葉の頭をはっきり歌う。
    ・「ほのかに」「さめざめと」の言葉を大切に。
・伸ばしておいて、タタタタタと細かくなる音型が多い。
・よく歌えている。
    ・主母音を見つける。この場合1拍目、3拍目を意識して歌う。ただしアクセントではなく
・次の母音へ向かうエネルギーが欲しい
    ・子供の歌は、無声にしないのが基本。
・表情をつけすぎない。ピアノも表情を殺して。それで詩の表情だけが浮かび上がるように歌うのがコツ。
・「あすぼう」の「う」のところは、♪ではなく♩であることは意識して歌う。このパターンがある。
・「おさかな」表情をつけすぎない。伴奏の前奏はテヌートつけない
    ・ゆれない、まっすぐ歌う
・洋楽の中に邦楽がでてきたように感じられる曲である
cresce.なんのために、どこまでやればいいか、
・「わらううた」はいい声で歌っている、この声で「しだれ桜」も歌うように。余計なことをしない方がいい。
    ・「U」の母音
  日本語と外国語の「U」をそれぞれ練習して、日本語としておかしくない「U」を見つける。
・素人が歌っているように歌ってみる。その方がいいかもしれないというのがヒントだ。

2019年11月8日金曜日

境塾 2019年11月3日(日)


演奏曲
    「歌曲」(信長貴富作曲・寺山修司作詩)
    「裸木」より「1.冬が生まれる」(朝岡真木子作曲・木下宣子作詩)
    「はっか草」(千原英喜作曲) 
    「追憶の風」(朝岡真木子作曲)
    「おろかしく」(山田耕筰作曲)
    10月 秋なので」(湯山昭作曲)
    「今日も一つ~日日草」(前田佳世子作曲)
    「秋の空」(畑中良輔作曲)

先月の1012日は台風のため中止となりましたので、10月の予定者も本日歌いました。作曲者の前田佳世子氏も参加され、充実の3時間半となりました。
    ・何回もでてくる、「その曲」という言葉の「そ」を大切に歌う。
・「あなた」は誰なのか
   少女詩集のなかの「魔法」という、ニュアンスが似ている詩がある。
   「トマトケチャップ皇帝」という映画のなかの、お母さんへの手紙の中にこの詩はでてくる。「あなた」は母だといえる。(本人談)
・曲の山は、Eの部分:その曲をきいただけで恋をしたくなる というところと思えるが、言いたいことは、「あなたにあげたい」というところだと思う。(本人談)
・「あなたにあげたい」の繰り返しは、エコーか念を押すか。
・全体によく歌えている、あとは音量ではなくて内面的パンチを与えられるように
    ・玉三郎の歌は、直接的な歌である。肌が触れあう、娼婦などの言葉をそのように歌う。しかし、私たちの表現はそれとは少し違う。クラシックの衣を着ている。この曲の場合は、それを少し脱ぐところがあってもいいかもしれない。
・「木がたちあがっている」「葉をふりおとし」など言葉をつなげて
・「新しい季節のために」・・・「新しい+名詞」の場合、名詞の方が大切。音楽的充実感が必要。
・初めて聴く人に、内容をわかってもらうのは、相当難しい曲である。そこをがんばる。
・「裸木」というのは俳句の季語で、「枯木」よりずっと、これから芽吹くパワーを秘めた言葉(参加者談)
  ・言葉がわかるこつ
  レガート、感嘆詞・動詞・名詞をわけてさばく、最初の子音・母音を大切に
42小節などの付点音符は、聞いている人に音符を感じさせずに言葉が聞えるように誤魔化して歌う
・フレーズを乗り越えてするブレスを工夫する
・もっている声は大変良いので、自信を持ち使いこなせるように
・これらすべてに集中する
    ・「よくがんばったね」母の声が聞える
   台詞が先にきて、説明があとから来るパターンは、「さくら横丁」「サルビア」 などにある。
・出だしをきちんと。
・休符、間にもう一つ何か欲しい
・レガートで歌えているし、言葉もよくわかる。あとなんでしょう?
    ・大変言葉の難しい、聞いただけでは全くわからない曲である。
・いい声を出し、ソルフェージュを乗り越えてこの難しい曲を歌いきる
・鼻濁音の練習をすること
    ・「U」「I」の母音が多少気になる。
・「とおのいてゆく」  「ゆく」はある程度開ける。cresc.だから途中から開けるというのもありだ。
・「秋」を嬉しそうに歌うように、 よい「思い出たち」の秋である
    ・「平凡」は「へいぼん」か、「へーぼん」か。「たくさんの」の「ん」の扱いなどに疑問がある。
    テンポの速いのを聞いたことがあるが、あまり速くない方がいいと思う。

2019年9月4日水曜日

境塾 2019年9月1日(日)


境塾 201991日(日)
演奏曲
    「向日葵のように」より「4.この道を」
     同上「5.向日葵のように」(大中恩作曲・山岸千代栄作詩)
    「そのとき十八の春」(朝岡真木子作曲) 
    「みぞれに寄する愛の歌」(山田耕筰作曲)
    「おんがく(木下牧子作曲)
    「宝石のうた」(グノー作曲・堀内敬三訳詞)

このところ、少し涼しくなりました。今日は9月の第1日、13人が参加し、熱のこもった3時間となりました。
    2015年に、90歳過ぎて作曲された最晩年の曲集、1曲が2ページで5曲ある。
・母音ででる言葉は、先取りしてでる。
・いい声、いい発声です。あとは歌に息をふきこむ作業をもっとする。一色になるのが玉にきず。
・「りんとさく」 「ん」に音符があててある。日本人作曲家の悪いくせ、よく声を響かせて処理する。
・曲の山に向かってもていく。
  「椿のようにりんと」 よ・・・cresc.する。り・・・長めに
andantino の所から音楽が変わったのがきこえるように
・p、mp、p、mp のところ、作曲家の意図を読み取る
    ・向日葵のイメージは、夏、明るい、そして情熱につながる、発展を考えて歌う
・「もしも、お花になれるなら」 願望をだす、ブレスしてもひとつになるように。
・「こいして」4つに音符がついているが、「こい」「して」とまとめる
・「ウサギのダンス」の歌のような明るさ、躍動感、息のエネルギーが足りない。
    ・日本的情緒にならず、まっすぐ歌う。
・最初の3連符に注意、rit.からa tempoしてはいるのは歌い手の呼吸にまかせられている。
・「かおりをはなちながら、花になる」・・・いいことを歌っている。
・音が下がる傾向がある。音感の問題ではなく、発声のバランスがどこかうまくいっていない。
・最後の「ルルル」は西洋風の「ウ」でいいのではないか。
・以前きいた「からたちの花」が低いところが気になった。山田耕筰夫人が歌っている録音を聴いてみてください。ネット上で「からたちの花 辻 国会図書館」で検索すると聴くことができる。
    ・この曲はおおまかに言ったらどういう曲か。――願望の曲、希望のあるみぞれ、明日は天気になれ
・「きみ」の音符が3回とも違う音符で書かれている。
・歌い出しが暗い人が多いが、そうではないだろう。
・歌の内容に合わない声をださないようにすれば、下がらないだろう。
・「暗ければ」は暗くはない
・強いアクセント記号のところも、レガートの中でうたう。
    ・立派な声で歌おうとしないで、いい状態の発声を使って歌う。
・発声ばかりを考えて歌っているように聞える、発声を忘れて音楽、言葉に集中して歌ってみる
→言葉が伝わってきて、声も適切な声になり、表情もよくなった。
    ・日本語でアリアを歌う、堀内敬三訳詞で、日本語としてもかなり古く、わかりにくい。
・「マルガリータ」いう人名の扱い、日本語訳詞のときは、日本語的に発音するのがいいのではないか。
・少し説明してから歌う必要があるかもしれない。

2019年8月31日土曜日

境塾 2019年8月18日(日)


境塾 2019818日(日)
演奏曲
    「ひとりぼっちがたまらなかった」より「幸福が遠すぎたら」
     同上「忘却」(大中恩作曲)
    「しぐれに寄する抒情」(團伊玖磨作曲) 
    「風のうたった歌」より「その1」「その2」「その3」(青島広志作曲)
    「落葉松」(小林秀雄作曲)
    「平城山」(平井康三郎作曲)

前日、武蔵境でのコンサートに出演した健先生もお元気に、講習が行われました。健先生からのコメントを紹介します。
    ・「幸福が遠すぎたら」という題名も詩的に読むように
・五つの母音に、五つの音色しかないようだ
・「四分休符 なんだろう」の四分休符では、「なんだろう」のブレスをする
・息の使い方――次のフレーズまでもってくるように
・ブレスがきちんと入っていない
    19小節 「このままではさみしすぎる」はひとまとめのセンテンスになるように
25小節の四分休符は、自分にまかされた間、勘定するのではなく、間で入る
・苦労するから玄人、苦労してください
    ・「しーぐーれー」をレガートに
・「つげておくれ」――何をつげるのか
・「あのひとーおに」 付点音符のところ、のどでリズムをとらない
・大きく歌おうとすると、失敗率が高くなる
    ・「その1」は、音程が甘いところがある
・「その2」の「だんだん・・・」というところはだんだんクレッシェンドしたらどうか
・細かい音符は大切に、延ばす音符は間延びしないように、という原則がある
    3連府、2連府がソルフェージュにならないように、自然に歌う
・高い音の山のところ、準備していい声をだす、構えない
・アクセントをつけない
    ・その調子でよい

2019年8月15日木曜日

境塾 2019年7月15日(日)


境塾 2019715日(日)
演奏曲
    ならんでる(小倉朗作曲)
    さくら横ちょう(別宮貞雄作曲)
    夢みたものは(木下牧子作曲) 
    「沙羅」より「丹澤」「北秋の」(信時潔作曲)
    「花に寄せて」より「てっせん・どくだみ」「ばら・きく・なずな」(新実徳英作曲)
    浜辺の歌(成田為三作曲)

この日は初参加の受講者もあり、16名が参加しました。健先生からのコメントを紹介します。
    ・「ならんでる」の「n」の立ち上がりを早く
・Uの母音が深すぎるところがある。
poco rit.をどの位にするか。
・内容と言葉を結びつける。
    ・「あいみるーの」 別宮さんが伸ばさなくてよいと言っていた。雰囲気をだせばよい。
・なるべくテンポ、伴奏をくずさないように。
・pのでも語勢が弱くならないように。
・「さくら横ちょう」がはじめてでてくるところは大切に。
・2段は景色の説明、3段目から躍動感のある本物の声、13小節から充実感のあるクレッシェンド。
    ・こういう歌は、山がどこか、曲をまとめるのが難しい。元が合唱曲だ。
・高木東六作曲の同名のよい曲がある。(受講者からの声)
    ・「丹澤」 前に進ませるが、戦闘的でなく。
  ・枯れざさ、がれ、とおのむこうの、などの言葉を的確に把握。
  ・たばこすうてみる  (テンポで四拍目の裏に)   ひとり    
      (クレッシェンド)       (ねらったところに「ひ」をいれる)
    ・「花に寄せて」もとは合唱、そういうものはボカリーズが多い。
・丁寧に歌えているが、表情が同じ、色が一つになりがちなので、もう一工夫する。
    ・レガートに歌う。
・低い声を無理にならさなくてよい。

2019年6月28日金曜日

境塾 2019年6月23日(日)


境塾 2019623日(日)
演奏曲
    海(文部省唱歌)
    六騎(山田耕筰作曲)
    おんがく(木下牧子作曲) 
    しゃなりを歩く(朝岡真木子作曲)
    「夢色の風にのる猫」よりⅢ.猫が飛んだ(大中恩作曲)
    南天の花(山田耕筰作曲)

梅雨の合間の晴れの日、5人の受講生が歌いました。相方が初登場のご夫妻が1組、ピンチヒッター1名でした。健先生からのコメントを紹介します。
    ・「とおーく」は「とーく」と歌う。
・Uの母音を外国語のUでまずやってみて、母音をつなげる。日本語を意識しすぎているのでは。
・「見よ」は、「見よ」という言葉の内容の意識をもって。
    ・「六騎」は何か。平家の落ち武者六人が柳川に住み着いて漁師になった
・「御正忌 参詣らんかん」親鸞の祥月命日。「ごしょう きめー らんかん」と聞える人が多いので、「ごしょうき めえらんかん」と聞えるように歌い、山耕の書いたフレーズに入れる努力をする。
・この曲は、譜面通りに歌うが、声自慢(特にテノールの場合)の魅力も必要。スポーティーに歌い、そうでなく聞かせる。
・色っぽい鐘がなる。
・「逢ふて」のところは、「おう○て」の○の16分休符で気を持たせる、「泣けと の」のポルタメントはどういう意味か、意味深だ。
・「鐘がなる」が何回かでてくる、鐘が鳴っている感じを感じながら歌う。
・いろいろ工夫し、最終的には譜面通りになっているように。
    14小節の「おんがく」の「ん」が強拍の扱いになっているのは難しい。
32小節の「していたい」は願望の表現になるように。
35小節の「だかれて」 声をだすだけにならないように、
    ・よく歌えているので、あとはふりを工夫したらいいでしょう。
    ・最後の「ぼたん雪」はゆっくりのイメージか、少し遅くしてもいいかもしれない。
    ・この曲は「ん」の処理が難しいが、よくできている。
・あとから説明になっている歌詞の場合、最初に歌うときにそのイメージをもってうたう。
    このの 静けさに・・・など
*南天の花」誤植情報がクラフトーン社のブログに掲載されています。「http://blog.livedoor.jp/hisamatsu1225/archives/51894026.html
  

2019年5月29日水曜日

境塾 2019年5月6日(月・祭)


境塾 201956日(月・祭)
演奏曲
    木下夕爾による8つの歌より「春の電車」(小倉朗作曲)
     同「すいっちょ」
    「春に あこがれ」より3.きっと 春は くる(朝岡真木子作曲) 
    椰子の実(大中恩作曲)
    「海四章」より1.馬車(中田喜直作曲)
     同 3.沙上
    南天の花(山田耕筰作曲)
    「あなたへ」より3.夢 とおく(朝岡真木子作曲)


武蔵野市民会館音楽室にて2時間、4人の受講生が歌いました。1名が風邪でお休み、ピンチヒッター1名でした。健先生からのコメントを紹介します。
    ・「ぶらーん、ぶらーん」の歌い方が難しい。母音をしっかり。
・レガートに声を流しながら、言葉を区切っていく。区切りすぎてもいけない。修飾語が切らない。
    ・「すいっちょ」は何か。キリギリス科の馬追虫。
・涼しい秋の晩だ、涼しく歌う
    ・「いま」は「このほしに」か「生かされている」のどちらにかけるか。
・出だしの2小節で、ぴったり出る。
・曲の山をどうもってくるか。
・「くる」のUをどのくらいにするか。
    ・ラジオ歌謡だった。
・最後の「帰らん」の「ん」   口を閉じて「n
    ・声はよいが、詩の輪郭をわかって届けてほしい。ブレスの問題かもしれない。
・声を抜かない、言葉を最後まで責任をもってうたう。
    ・こちらはいい。
    ・「ん」が沢山あるが、口を閉じず響かせる。
・母音をそろえる。
    ・叫ばずにいいポジションで歌う。